Book

マリア様がみてる――クリスクロス

『マリア様がみてる』の最新刊です。前作はけっこう面白かったのに、またつまらなくなってしまいました。しかもこの終わり方、もう勘弁してください。二作入れるくらいなら……。もうちょっと読者のことを考えて欲しいものです。貶しっぱなしっていうのもよく…

飾られた記号 ほか

前回の更新から早4ヶ月。思い出した頃に更新するのは、思い出して更新するからです。 さて、わが新月お茶の会では必読といっていいこの一冊、佐竹彬『飾られた記号』そしてその次の『三辺は祝祭的色彩』を読みました。 世間で言われるほど劣化森とは感じま…

のだめカンタービレ

『のだめ』の8巻〜10巻までを読みました。あっさり飛行機克服し過ぎじゃないですか、これ。まあ面白いからいいけどさ。あと、舞台がフランスに移ったのでフランス語が随所に出てきます。フランス語始めようと思っていたのでちょうどいいモチベーションにな…

自殺論

今回はBookのカテゴリですが、書評・感想ではありません。今読んでいる本への雑感です。 タイトルを見れば明らかですが、今読んでいるのはエミール・デュルケームの『自殺論』です。これは社会学の基本的な文献のひとつであると同時に、『社会学的方法の規準…

ガール ほか

今日は本をけっこう読みました。最初に読んだのが奥田英朗の『ガール』です。さすが奥田、面白いです。 しかし、『サウスバウンド』や『空中ブランコ』ほどの衝撃はないかなあ。 その次に読んだのが大崎善生の『編集者T君の謎』です。 これはエッセイ集です…

少女ファイト

私はマンガに関してはあまり作家で選ぶことはしないのですが、その唯一の例外が日本橋ヨヲコ(公式ホームページ:漫画家日本橋ヨヲコ公式サイト)。 高校のときに親友に借りて読んだ『極東学園天国』がきっかけでハマりました。 彼女のアツいマンガは私には…

バスジャック

『となり町戦争』の三崎亜記の短編集です。 『となり町戦争』については↓に書いています。 http://d.hatena.ne.jp/tsuki-to/20050720/1129643298 短編集ということで、それぞれについて。 「二階扉をつけてください」 個人的には一番好きかも。 発想も展開も…

薔薇のミルフィーユ

自分を偽るな、俺。 頑張れ、俺。 というわけで、唯一買い続けているラノベ『マリア様がみてる』シリーズの最新作です。 もうすぐ次作が出ますが。 もはや惰性。 買うのをやめようかと何度思ったことか。 そのたびに、もしこの巻が最盛期並におもしろかった…

安田講堂 1968-1969

発売直後から気になっていたのですが、ついに決心して買いました。 僕は東大生です。 この僕が所属している大学は、35年以上前、学生闘争の舞台となりました。 しかし、僕はこれまで、その実態をまるで知りませんでした。 そういうことがあったと、話に聞い…

夏と花火と私の死体

乙一のデビュー作です。 相変わらず、キレてます。 一番乙一らしさが出ている点は、やはり視点でしょう。 そのあたりのセンスには、いつもどおりぐうの音も出ません。 最初の作品からやはりこうだったんですねえ。 尊敬です。 そして、アイデア倒れに終わら…

Y

ひさしぶりに面白い小説を読んだ気がします。 佐藤正午は『取り扱い注意』に引き続いて二冊目ですが、個人的にはこっちの方が好きですね。 『四畳半神話大系』を連想しました。 解説でも書かれていますが、この作品の本質はやはり恋愛群像モノであるというと…

陰陽師

なんだ、ラノベじゃん。 もっと堅いものだと思ってました。 1ページの文字数もかなり少ないですし、さくさくっと軽く読めました。 まあそれなりに面白かったです。 しかし、何も残りませんでした。 キャラで売ってるっぽいところも、かなりラノベ的。 ヒマな…

長崎オランダ村

作中で使われている九州弁が、非常になじんでよかったです。 実は僕はルーツは九州で、佐賀弁を喋れたりするのです。 まあ、それはそれとして。 二人の人物による会話形式です。 話題は、日本にやってきた各国のダンサーや大道芸人たちについて。 非日常やコ…

永遠の王

T.H.ホワイトの名作です。 超長かった。 途中で中断したとはいえ、上下あわせて1年半くらいかかりました。 作者の介入が鬱陶しくて、読む気が減退します。 あと、構成ももうちょっと工夫の余地あり、かも。 しかし、なんといっても骨太のアーサリアン・ファ…

三日月少年漂流記

長野まゆみを読んだのは初めてです。 サークルの後輩で約2名、この人の作品が好きだというのがいて、その一人に借りました。 なんだか、宮沢賢治を読んでいるような感覚。 あるいはサン=テグジュペリと言ったところでしょうか。 耽美的というか、美学的に美…

土の中の子供

明日サークルでこの『土の中の子供』の読書会をやるので読みました。 今年前期の芥川賞受賞作ですが…… 正直、こんなものか、といったところです。 恐怖というものを徹底的に客体として、まるで触れるもののように扱っているのはすごく新鮮ではありました。 …

ネコソギラジカル

一年延期されて発売された下を待って、上から一気に読みました。 戯言シリーズをしめくくる話ですが、予想よりはよくできていたと思います。 未回収の伏線は山ほどありますが、決着をつけるべきところはきちんとつけています。 特によかったのは、中巻の「祭…

クリスマス・テロル

舞城に続いてユヤタンです。 ここに来て、何を思ったか積読を次々と崩し始めました。 危ないです。減ってます。 積読が尽きるときは多分僕の命が尽きるときなので、早めに補充しないと。 で、この『クリスマス・テロル』ですが。 つまらなかったです。 スト…

煙か土か食い物

実は舞城を読んだのは初めてです。 文体が独特ですね。 スピード感があってなかなかいいと思います。 人並みの幸福な家族に恵まれた僕には、この話に出てくるような奈津川家のような家族の物語は読んでいて少し悲しくなりますね。 特に二郎の幼い頃のエピソ…

文学部唯野教授のサブ・テキスト

以前読んだ『文学部唯野教授』の関連本ですが、出版社が岩波じゃなくて文春ですね。 いや、別にどうでもいいんですけど。 基本的には別にたいしたことはないというか、つまらないというか…… 三部構成で、一部が唯野教授へのインタビュー、二部が筒井康隆の対…

ロードス島攻防記

ファンタジーではなく、実在の方のロードス島です。 そのロードス島を本拠地にしたキリスト教世界の最前線たる聖ヨハネ騎士団と、名君スレイマン一世の率いるトルコ軍の攻防のお話です。 中世の面影残す古きよき騎士たちが、20倍以上の戦力をもって押し寄せ…

四畳半神話大系

ほぼ一ヶ月ぶりの更新になりますか。 この間、イタリアに行ったり締め切りに追われたり、いろいろしてました。本もいろいろ読んでいたのですが、もっとも最近読み終わったのが『四畳半神話大系』です。これは友人に薦められて読んでいたのですが、なかなか面…

美濃牛

『ハサミ男』に続いて読み終わりました。結論から言って、この『美濃牛』の方が圧倒的によかったと思います。 ミステリとしてどうかという評価は僕にはできませんが、話が実におもしろかったです。 作者が書きたいものを書いているというのが伝わってきまし…

魔法先生ネギま!

この前、大阪のポパイというネットカフェで一晩かけてネギまを読破しました。初めにぶちあたる苦痛を耐えて読み進めていくうちに、段々すらすら読めるようになってきました。 なんだ、意外とまっとうな魔法バトルものになりつつあるじゃないですか。序盤の、…

ハサミ男

最後に、さっき読み終わった殊能将之『ハサミ男』。 文体が非常に読みやすく、分量を感じさせませんでした。 登場人物の魅力もなかなか。 同じ作者の『美濃牛』も図書館から借りてきているので、読みたいと思います。また何か読んだら書くかもしれません。 …

きみにしか聞こえない

そして乙一『きみにしか聞こえない Calling You』です。 乙一最高。 叙述トリックもすぱっと決められました。 相変わらず乙一はいい作品を書きます。

日蝕

まずは、平野啓一郎『日蝕』。 この作品に関してはまず、文体がすごかった。 これを著したとき、著者の年齢は今の僕とさして変わらなかったはずなのに。 よくこんなかっこいい文章が書けるなあ。 クライマックスの焚刑シーンでは鳥肌が立ちました。 あと、解…

GOTH

帰省&レポートでなかなか読めていなかった『GOTH』をようやく読み終わりました。やや、すかっとやられました。ネタバレになるので詳しくは述べませんが、お見事でした。ただ、この作品は『平面いぬ。』のような天才性のものではありませんね。 確かに上手い…

作家小説

乙一の『暗黒童話』のあとにこれを読んだものですから、なんていうか有栖川は明るいなあと思いました。乙一のような天才っぽい感じはそれほど受けないのですが、有栖川には穏やかな面白みというか、安心感に似た感覚があります。 片やきらめく天才、ただし重…

取り扱い注意

佐藤正午の『取り扱い注意』を読み終わりました。 これは合宿でおすすめ本として紹介されていたものです。なんだか不思議なお話でした。 話がふくらんでふくらんで、拡散して、いつの間にかまとまって終わってました。 いくつかのこだわって見られる要素――英…