取り扱い注意

佐藤正午の『取り扱い注意』を読み終わりました。
これは合宿でおすすめ本として紹介されていたものです。

なんだか不思議なお話でした。
話がふくらんでふくらんで、拡散して、いつの間にかまとまって終わってました。
いくつかのこだわって見られる要素――英語のことわざ、古い言い回しなど――が読み進めるに当たってアクセントとなっています。
が、それでも読むにあたっては多少退屈さを感じざるをえませんでした。
作品の大部分が登場人物紹介となり、本筋を圧迫しているようです。
まあ、本筋の方がおまけであるのは明らかなのですが……
それならばそれでもう少し統一感があった方がいいかな、と思いました。
がしかし、読後感は悪くない。
なかなか小憎らしいハッピーエンドですしね。
しばらくはこの系統の本を漁っていこうかしら、と思ったのもつかのま、つい先ほど海渡英祐『伯林―一八八八年』を読み終わったところだったり……


伯林(ベルリン)ー一八八八年 (講談社文庫 か 6-1)

伯林(ベルリン)ー一八八八年 (講談社文庫 か 6-1)