まりあ†ほりっく3巻、チェーザレ5巻
なんなんだろう、この相変わらずズレた感じの面白さは。
直球で最高に面白いというわけではないのだが、微妙に低めのテンションから引き起こされる、じわりと効く面白さ。
通常の良作なら主役級キャラと端役の間にいい味を出しているキャラが一人いるが、この作品は主役級の華のあるキャラがいない代わりに、ほとんど全てのキャラがいい味を出している。
この巻では桐がよかった。
前巻ではシリアスな匂いがあった鞠也と絢璃の確執の真相のくだらなさもたまらない。
傑作とまではいかないが、安定的に高水準の佳作。
五点満点でいえば四点。
実力者の作品。
どっしりした確かな構成力と描写力で、壮大なロマンが綴られる。
何の心配もなく読める。
五点満点でいえば四点。
メイちゃんの執事、聖☆おにいさん
資料として読みました。
中の下か下の上ってとこでしょうか。
登場人物の感情の動きが安易すぎる。
実はこんなすごい家のお嬢様だった、というよくある設定で、そのすごさのみで目を引こうとしている感じ。
あと、マーガレット読者に衝撃を与えようとして過激な文言を出してきてるのがいかにもでいやらしい。
目玉であるところの執事というものに対しても、甘すぎる。
イメージで書きましたって感じがありありと出てる。
こう書くといかにもクソみたいですが、絵は及第点だし、ストーリーもまあ水準付近には来てるんじゃないかな。
五点満点なら一点寄りの二点。
相変わらず神の面白さ。
吹かずには読めない。
1巻発売後にインタビューしてからもう結構経つのね。
実家が天界ネタはそろそろいいかなって感じだけど、その他のネタはよくもまあこれだけ思いついたものだ。
間違いなく、今一番面白いギャグマンガのひとつ。
五点満点の五点。
マリア様がみてる――クリスクロス
飾られた記号 ほか
前回の更新から早4ヶ月。思い出した頃に更新するのは、思い出して更新するからです。
さて、わが新月お茶の会では必読といっていいこの一冊、佐竹彬『飾られた記号』そしてその次の『三辺は祝祭的色彩』を読みました。
世間で言われるほど劣化森とは感じませんでしたね。特に情報学という設定は面白いと思います。ギリシャ哲学あたりから着想したのでしょうか。一人称の心理描写もなかなかいいと思います。
ただ、問題として情報学という設定があまり生かせていません。やろうと思えばもっといろいろ楽しいことができるような気がします。そして人物の描写がまともに描かれていません。(しかしこの問題についてはイラストがあることによって解決されています。これは作家としてどうよ、とも思いますが、ラノベという媒体であることを計算の上でしょうからこのことは問題にする必要がないのかもしれません。)あと、一語で改行する手法が多用されすぎていると思います。自由連想や思考の推移をリアルタイムで表すのには確かに効果的ですが、その必要がないところでまで使うのはよくありません。それと奈須きのこ。
世間的にはミステリとしてみたらカスというような扱いをされているようです。まあそりゃそうでしょうけど。(驚くべきことに、二巻目はこの私でさえかなり早い段階で仕掛けが分かってしまったのですから。)しかし電撃はラノベレーベルですからねえ。その批判は当たってないような気がします。ミステリ風味だけどやっぱりファンタジー(ないしはSF)っていうのが正しいでしょう。
一巻目はともかく、二巻目は完全にシリーズの一部になっていて単独では読めない話になっていると思います。このへんを不親切とみるかどうか。三巻目への引きは十分あると思いますが、それぞれ独立して面白くないと許せない人は多いでしょうし、そういう人はきっと三巻目は買わないでしょう。個人的には、このシリーズの場合は下手にシリーズとしてのつながりを出すよりもそれぞれを深めた方がいいものになるような気がしますね。
これから三巻目を買うかどうかは気分しだいといったところ。ちょうどいいときに見かければ買ってもいいかなっていう感じです。
積極的に人に勧めるほどではないですが、合う人には合うと思います。
- 作者: 佐竹彬,千野えなが
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三辺は祝祭的色彩―Thinkers in Three Tips (電撃文庫)
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カワガキ
川端裕人の『川の名前』では、それぞれの人は自分がどの川の流域に住むかによって自然に基づいたアイデンティティを確立できるとしています。それで、気紛れに私は何川かちょっと考えてみました。はじめは神田川(井の頭公園を水源に、三鷹台駅あたりを流れている)か玉川上水(三鷹台駅に行く途中で渡る)かな、と思っていたのですが、よくよく考えれば歩いて1分のところにもう一本川がありました。そうそう、私は仙川です。京王線の駅名にもなっているあの仙川。より正式に言うなら多摩川の支流の野川の支流の仙川。わーい。これで私もカワガキです!
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