美濃牛

ハサミ男』に続いて読み終わりました。

結論から言って、この『美濃牛』の方が圧倒的によかったと思います。
ミステリとしてどうかという評価は僕にはできませんが、話が実におもしろかったです。
作者が書きたいものを書いているというのが伝わってきました。

キャラの描写が実に魅力的ですね。
端キャラもきちんと一人一人生きています。
展開も性急過ぎず緩慢過ぎず、この分量を苦痛と感じさせません。

あと、アレです。
ネタバレになるので詳しくは言えないのですが、よく二流の推理ドラマとかに出てくる「なんか思わせぶりなこと口走る奴」が期待を裏切ってくれたのがよかったです。

最後のオチが単純なめでたしめでたしでないのも好みかな。

蛇足ですが、この作品を読んだらなぜか無性に明治の文学を読みたくなりました。
何故だろう……?


美濃牛 (講談社文庫)

美濃牛 (講談社文庫)