土の中の子供

明日サークルでこの『土の中の子供』の読書会をやるので読みました。
今年前期の芥川賞受賞作ですが……
正直、こんなものか、といったところです。


恐怖というものを徹底的に客体として、まるで触れるもののように扱っているのはすごく新鮮ではありました。
土の中で人生観が変わるってのもまあ、わかりやすいです。
でも、主人公はきっとこれからも成長しない。
何度も何度も同じことを繰り返すでしょう。
そう考えると、いかにも救われない話です。
かのいーちゃんですらも前に進んでいったというのに!


それはさておいたとしても、何故この作品が芥川賞をとったのかがわかりません。
平野啓一郎ほど文章に力があるわけでもないですし。
ストーリーもほとんどないに等しいです。
新たな切り口と呼べるほどのものは、わずかに上記の恐怖に関するものくらいしかありません。
これで芥川賞とは。
笑っちゃいます。
『となり町戦争』の方がよっぽど面白かったですよ。


ああ、明日の読書会では誰かこの作品を褒める人はいるんでしょうか。


土の中の子供

土の中の子供