ネコソギラジカル

一年延期されて発売された下を待って、上から一気に読みました。
戯言シリーズをしめくくる話ですが、予想よりはよくできていたと思います。
未回収の伏線は山ほどありますが、決着をつけるべきところはきちんとつけています。


特によかったのは、中巻の「祭り」と、下巻の対時宮時刻戦でしょうか。
文体もバトルものに特化してきてるような気がします。
一方でキャラ造形がかなりやっつけっぽい気もしました。
はじめてまともに出てきた崩子ちゃんのキャラも、結局どこかで見たようなキャラになっていますし。
あと、某殺し名がただのいい奴になってます。
登場シーンはかっこいいのですけど。


まあ、そんなことはさておいて、突っ込むべきはサブタイトルが微妙にズレてるってとこでしょうか。
中巻と下巻のサブタイトルが内容にあっていません。
下巻はシリーズ第一巻の『クビキリサイクル』に合わせたのでしょうけど、いささか強引に過ぎるように思います。
思うに、サブタイトルのセンスはいつも西尾にしてはお粗末なように思います。
キャラ名にあれだけ卓越したセンスを見せる西尾なら、もっといいサブタイトルも思いつくでしょうに。


とりあえずこれで戯言シリーズは完結ということですが、これからも西尾はきっと零崎の話などで番外編を書くことでしょう。
それも読むかどうかは分かりませんが、とりあえずおつかれさま、と言っておくとしましょうか。


あとはこちらの仕事です。
我が新月お茶の会は、来る冬コミにて「戯言シリーズ特集本」を出しますよ。
例によってキレのある分析と味のある批評をごらんにいれましょう。
殺して解して並べて揃えて晒してやるぜ。


ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)