Book

平面いぬ。

ここのところ、エラリィ・クイーン『Xの悲劇』に騙されて傷心の思いを癒すべく読んでいるのが乙一です。 あんな読みにくくいくせに肝心の部分は丸わかりのクソミステリに当たってしまったあとだったので、国産でミステリ以外の作品が読みたかったのです。 最…

となり町戦争、戦国自衛隊1549

珍しく一日に二冊も本を読みました。 両方とも戦争を取り扱っているという点では共通していますが、まったく違うお話ですね。 戦争というモノにたいするスタンスも違うようです。 『となり町』はストレンジャーとしての戦争。 『戦国自衛隊』は舞台としての…

月光ゲーム

学生・有栖川有栖シリーズの1作目にして有栖川有栖のデビュー作です。推理小説(ミステリ)としての巧拙よりも、青春小説としてのまずさがやたら気になります。 どうにも心理描写がうまくないです。 『双頭の悪魔』のときはむしろそれがよかったと思ったんで…

双頭の悪魔

『終戦のローレライ』を読み終わったあと、しばらく学業が忙しくて小説が読めていませんでしたが、ひさびさに読了しました。 親友が有栖川ファンなので以前から読んでみたいとは思っていたんですが、このあいだの木曜日にふとしたきっかけから手に取ったのが…

新しい人よ目覚めよ

言わずと知れたノーベル賞作家・大江健三郎の私小説です。 ひさしぶりの純文学です。 明治以外ではどれくらいぶりでしょうか。しかし、残念ながら僕にはこの本はまだ早かったようです。 話の内容は私小説なのでまあ理解できるのですが、そこにこめられたメタ…

恐怖の校内感染

浜田山のブックオフで宗田理『悪ガキ同盟1 恐怖の校内感染』を発見してしまいました。 即購入、読了。科学だったか学習だったか忘れましたが、例の学研の雑誌に載っていて大好きだった小説です。 宗田理や那須正幹は小学生のうちに絶対読んでおくべきですね…

亡国のイージス

来た。 ついに福井が来ましたよ。今まで『川の深さは』『Twelve Y.O.』と同じような作品が並び、そしてこの『亡国のイージス』もまた紛れもなくそれらに連なる作品なのですが、ここに来てついに福井は円熟を見せました。 同じような作品ばかりですが、前2作…

θは遊んでくれたよ

森博嗣を見限って久しいですが、なぜかまた買ってしまいました。 図書券が財布に1000円分あったしね。この作品はGシリーズの第二作です。 Gってなんだ。Greek Alphabetか。 今作で各章の頭で引用されているのは、J.S.ミルの『自由論』でした。ちなみに同…

Twelve Y.O.

『川の深さは』に酷似。 戦う少年少女。 怠惰で死んだような毎日から、真に生きることに目覚めた中年。 自衛隊。日米関係。 そもそも、設定が共通。けど、『もののけ姫』にも似てた。 「生きろ」とか。 『もののけ姫』との比較の観点から構造分析したらもっ…