ロードス島攻防記

ファンタジーではなく、実在の方のロードス島です。
そのロードス島を本拠地にしたキリスト教世界の最前線たる聖ヨハネ騎士団と、名君スレイマン一世の率いるトルコ軍の攻防のお話です。


中世の面影残す古きよき騎士たちが、20倍以上の戦力をもって押し寄せる異教徒の大軍と、もはや彼らを取り残して進みつつある時代の波を前に、必死で抗い自らの居場所を守ろうと奮闘するわけです。


基本的に、史実です。だからこそ面白い。
実際にこんなロマン漂う戦いがあったと思うと、胸が熱くなりますね。
そう感じさせるのも、やはり筆者である塩野七生の抜群の巧さによるところが大きいでしょう。
彼女はイタリアを中心とした地中海世界*1の第一人者です。


今のところ塩野の作品で読んだのは『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』と『イタリア遺聞』、それからこの『ロードス島攻防記』だけですが、これからも機会を見つけて読んでいきたいですね。


ロードス島攻防記 (新潮文庫)

ロードス島攻防記 (新潮文庫)

*1:そういえばうちの大学にちょうどそのエリアを専門にしている女の先生がいますね。知り合いかなあ。